想い

2012年12月31日

海炭市はまた新しい年を迎えます


まもなく2013年になります。

思い起こすのは、3年前。
熊切監督と、近藤撮影監督、そして函館チームの選抜メンバーが函館山を歩いて登りました。
撮影直前に、あの初日の出シーンを体感するために。

結局、猛吹雪で初日の出は見られなかったのですが、映画を作るための重要な日になったと実感したのです。


実際の撮影も、夜通し待って迎えた日の出時間は曇り空のまま・・・2日後に日の出シーンを撮影しなおしました。


年末年始は、どうしても映画製作の日々を思い起こさずにはいられません。



今年は「そこのみにて光輝く」の映画化についてお伝えしたかったのですが、来年以降に持ち越しとなってしまいました。
あらためて、映画作品を作るための様々な要素やタイミングに気づかされた年でもありました。

来年には、よいニュースを届けられますよう、天にも祈る気持ちでおります。





今夜の海炭市は、月も星もきれいに輝いております。

ああ、ここに住むあの人たちと、ここを離れたあの人たちが、幸せになりますように。


そして、皆様にとっても2013年が良い年になりますように。


これからも、末永くよろしくお願いいたします。





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2009年08月27日

映画音楽

「海炭市叙景」に寄り添えるような映画音楽を思い浮かべようとしたら、まっさきに出てきたのは「ディア・ハンター」でした。
実行委で同い年のメンバーがすぐに同意してくれてにっこり。

責任をとりたがらない世代・・・いえイメージだけですが。
自分で言っておきながら、そうでない人も大勢知っております。
「ディアハンター」に関しては、なにか同じ世代だからこその感覚というのもあるのかなと思いました。
とはいえ、たぶん二人とも映画館でリアルタイムで見たって訳じゃないと思いますけども。

クラシックギターの音色が美しくも切ないテーマ曲「カバティーナ」。
"She's so beautiful"という歌詞での歌が知られているようですが、僕は上田正樹さんのバージョンでしか聴いたことがないのです。

そして9/6のイベントでは、ピアノ(キーボード)とパーカッションのインストでやってみようと思っております。
クリストファー・ウォーケンのとまどいの表情を思い浮かべながら演奏しようかと。
プラネタリウムで働くあの父親も、きっとあんな表情で森をさまよっているのではないかと、なんとなく思うのです。

「どうしてこんな事になってしまったのか、まったくわからない」というとまどいの表情で。


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2009年08月25日

世代の違い

小さな子供と接しているとき、自分が子供の頃に接した大人はいわゆる"大人"の振る舞いだったと気付きます。。
今の自分は子供に近い目線で接しているような気がします。

どちらの方が良い・・・という話ではなく。

上の世代は「早く大人になりたい」度が僕らより強かったのか。
そうならざるをえない社会環境だったのか。

自分と近い世代は「子供のまま大人になった」気分が大きいような気も。
責任を取りたがらないのは、まさしくそういう事かと。

佐藤泰志は「青春小説」の作家と、よく聞きます。
確かに代表作と言われるものの多くは、若者が主人公である事が多いかも。
しかし「海炭市叙景」は、青春の後でなかなかうまくいかない人生を送っている年齢の登場人物が多いのです。

どんな想いを重ねて書いたのだろう。
齢相応というだけでは、すべての理由になっていない感じがしております。


あの少年は、格好良く海に飛び込むことができただろうか。


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2009年08月18日

文章から作り出すイメージ

原作がある映像作品は、持っていたイメージとの違いは避けて通れないもの。
「もっとナイーブな感じ」
「美人すぎる」
「デニーロみたいな人で」
「年齢はもっと上に」
まあ、100人いれば恐らく100種類の人物像がそれぞれ作られているのかと。

音楽はいかがでしょう。

小説「海炭市叙景」を読んで、どんな音楽が聞こえてくるのか。
アコースティックギターの透明な感じ?
無機質なリズム楽器?
ピアノとチェロの哀しげな旋律?

映画を撮影している現場にいてイメージが出来上がっても、最終的にどんな音楽をプラスするかで全く違うものになります。
どんな音楽が劇場を満たすのか。
最近、想像(推理?)しながら曲を探したりもしております。



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2009年08月17日

動員数という目盛り

映画の動員数って、今だと「仮面ライダー」だったり親子で足を運ぶ作品がトップなのですね。
けなすつもりはありませんし、仮面ライダーは僕にとっても永遠のヒーローです。
ただ、映画として10年や20年後もマイベストに挙げる人がどのくらいなのかは全く分かりません。

動員数と、普遍性は別のものと考えたほうが良さそう。
大量にTVで宣伝してれば、年に何度も映画館に足を運ばない身としては「見てみようかな」度がおのずと上位にきますし。

なにをもって成功とするかも、作っている人達によって違うでしょう。
映画「海炭市叙景」は、どうなのか。
興行収入が何億円とか。
上映館がケタはずれだとか。
2年3年のロングラン上映だとか(これはいいな、うん)。

見てくれた方の心を揺さぶって、どこかの瞬間だけでもずっと忘れられないシーンとして持って帰ってもらえるといいな。
そういう作品になってくれるよう、愛を持って接していくのです。
日々、具体的になっていく作品づくりが、楽しくてたまらないのです。


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2009年08月14日

時代を示す小物

小説「海炭市叙景」の舞台は80年代の日本です。
携帯電話やノートパソコンは普及しておらず、ファッションもメイクも当時ならではのものが存在する時代。

さて、映画の「海炭市叙景」はどうするべきか。

80年代にこだわる事はなく、かといって2010年にも限定しない時代設定がよいのかも。
"昔、こんな人たちがいた"でなくても構わないし、今だけになりそうな流行のメイクやファッションをわざわざフレームに入れる必要もなし。
最近つくられたピカピカの建物も、出番はないかもしれませんね。

人間のシワと同じく、時代の流行とは無縁な年輪を感じさせるものが映し出されるといいな。
と思うのです。



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2009年08月07日

ない袖は振れない

小説「海炭市叙景」は18のストーリーに18の登場人物がいます。
兄妹ともに失業してしまい、年越しに小銭しか残っていない2人。
いくらなんでも小銭しかないなんて・・・という点に不自然さを感じなかったのです。

小説も映画も、強引な設定に直面して物語の世界から現実に帰ってしまう瞬間というのはあるものです。
こういう人達がいるという事は、僕にとってはとてもリアルでした。

大事でないものはすべて売り飛ばしてしまった。
一人暮らしならともかく、大切な人のためにはお金を使うものです。
自分に嘘をつく仕事はしたくない。

青臭いとはわかっていますが、明日はなんとかなると最後の小銭で小さな贅沢。

音楽や本や映画に使う金がなくても、「海炭市叙景」はそうするだけの価値がある映画にしてみせます。
余裕がある人も、そうでない人も、この作品に触れたことで心に豊かな何かが生まれますように。


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2009年08月03日

夏が暑いと冬は寒くなる

と聞いた事があります。
という事は次の冬は過ごしやすくなるのかも。
いえいえ、2月には雪景色になってほしいのです。
映画「海炭市叙景」には、雪の力を借りるシーンが数多くあります。

雪国に旅行する方は雪を待ち望み。
雪国に住む方は「もういらない」なんて思いもあることでしょう。
暑い地方の方が平均寿命が長いイメージも・・・イメージだけですが。

いずれにせよ、寒い季節と雪景色は大好きです。
気持ちが凛といたします。
この映画にも、そう思わせてくれる雪が必要です。

そんな思いもあり。
これから暑い暑い夏を過ごしたいものです。


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2009年08月02日

夏祭りの季節

函館に限らず、夏のお祭りの真っ最中というところが多いかと。
浴衣とか下駄とかうちわとか。
たとえ涼しすぎる夏でも、季節を伝えるアイテムは気持ちを夏真っ盛りに連れて行ってくれます。

あっという間に8月。
砂が濡れてたり、皇帝がいなかったり、ダイ・シー・マストだったり。
我々にとって種をまく時期はそろそろ終わり、水をあげて芽が出るのを心待ちに過ごす日々がやってきます。
ま、種はまき続けますけども。

祭りの楽しさを感じながら、ギュッとひきしまる部分が同時にあるのです。



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2009年08月01日

傷つけられたのは、傷つけたから

「海炭市叙景」には18のストーリーが存在します。
季節ごとに9つのストーリー。
本来ならば四季それぞれ9つのストーリーで36の短編からなる物語の予定でした。

佐藤泰志の死で物語は永遠に中断されたまま。
でも僕が受け取った18のストーリーからなる物語は、不思議と途中半端な印象を受けません。

そう思って読んでいるからか、そうなる予感で書いたのか。

映画となる「海炭市叙景」は、その中からいくつかのストーリーをピックアップする形です。
登場人物は、それぞれの重たい人生を歩いています。
明日には良いことがあると信じているのです。
でも、自分や、自分の大事な人や物が傷つけられる事があるのです。

自力ではどうしようもない環境の変化だったり。
世の中の変化に対峙した結果だったり。
そして自分が傷つけたことが理由だったり。

どのシチュエーションも自分の歩いてきた道で思い当たってしまうのです。
それが切なくもあり、明日の光へのヒントだったり。

気付かずに人を傷つけているという事に、気付いてないであろう自分にがっかりしながら。
明日は気付けると思ってみたくなるのです。


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2009年07月29日

いかだに乗って行こう

さっきTVでいかだに乗って川を進んでいく場面を見ました。

小説には出てきませんが、映画「海炭市叙景」では重要な存在としていかだが登場する予定。

山を歩くのも危険が伴うのに、子供たちが自作のいかだで海に出て行く場面の夢や希望や勇気といったら!
自分でも船を作ってみたくなったのか、海に飛び出していく憧れがあったのか、はたまた子供時代特有の先を想像しない行動力なのか。

小学生の頃に作ったもので、今も大事な宝物。
無形でも想い出として心のいちばん深いところに置いてある方も多いかと。

そういう存在は、今でもものすごく大事なものである事が多いものです。
そんな気持ちを呼び覚ます作品です。


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2009年07月17日

遅すぎるなんて、ありはしないのだ

はこだてドックのゴライアスクレーンが完全に撤去されて幾日。
映画では「あの頃の想い出と一緒にある」という存在です。

もっともっと月日がたって完成した映画を見たときに、それは喪失感として迫ってくるのだろうか。
豚と一緒に頑なに我が家を守っている老婆のような、強い愛とは少し違うのかも。

でも巴座があった場所にある駐車場に入るたびに、やっぱり今でも巴座を思い出してしまうのだから。
クレーンもそんな存在になるに違いない。

弥生小学校の取り壊し。
反対の声を上げるのは遅すぎたって言った人がいたらしい。
遅すぎることなんて、ありはしないのだ。


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2009年07月15日

スタートします

はじめのいっぽです。
これからどんな関わりが生まれていくのか。

たくさんの出会いを記録していきます。
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