2011年11月03日
そして、佐藤泰志イヤーは続く
本日、映画「海炭市叙景」のDVDとブルーレイが発売!
完成披露試写会の時に、2時間半ぶんのフィルムが入ったケースを持ちあげましたが、かなりの重さだったのです。
フィルムの中に込められている色々なものの事を考えていたから、そのぶん重く感じたって事もあるとは思います。
その映画「海炭市叙景」が、手のひらに乗るくらいの大きさになるのですね。
お住まいの地域周辺で映画上映がなかったという皆様。
上映していたけど見逃してしまったという皆様。
ぜひまた見たいと心待ちにしていただいている皆様。
お待たせしました!
ついに、あなたのもとに映画「海炭市叙景」が届く状況となります。
ぜひ、じっくりとご覧いただけますように。
今年、2011年は佐藤泰志イヤーでした。
前年に「海炭市叙景」が文庫化され、映画の上映がスタート。
そして今年は5冊の文庫本、1冊の単行本が出版されました。
映画は国内外で上映され、たくさんの賞もいただきました。
正直に言いますと、どれが今年で、どれが昨年だったのか、あまりピンと来ていないのです。
2007年にクレインからの「佐藤泰志作品集」が出版されました。
翌2008年の後半から映画化構想が動き出し、ここからの3年間は昨日のことのようにも、ずっと昔の事のようにも感じております。
なにか、時間の感覚が少しおかしくなっている感じ。
熊切監督に初めて会った日や。
最初の8mm撮影や。
数々の周知イベントや。
身の丈に会わない製作資金を集めるべく知恵を絞った会議や。
文庫になった「海炭市叙景」をはじめて手に取ったあの瞬間や。
ボロ雑巾のように疲れきっているのに笑顔を見せる撮影スタッフの顔や。
そして映画館の座席に座って見た映画「海炭市叙景」や。
色々なことが、すべてまとまって一度に起きた出来事のように感じております。
きっと我々にとっての佐藤泰志イヤーは、ここまですべての日々であり、来年以降も佐藤泰志イヤーなのだろうな、と思っております。
これからも、佐藤泰志イヤーの事を当ブログで、不定期ながらお伝えしていこうと思っております。
ときおり思い出していただければ幸い。
これまで毎日、当ブログを見続けていただいた方がたくさんいらっしゃる事は、大きな励みでした。
無言の応援をいただき続けたと感じております。
毎日更新は、いったんここで一段落とさせて下さいませ。
これまで見ていただき、本当にありがとうございました。
そして。
これからも何卒よろしくお願いいたします。
ここで生まれたたくさんの想いが、時とともに様々な方に届きますように。
「地面は固い場所もあるし、枯葉が何重にも積って、靴が柔らかく沈む箇所もある。
そこでは、何年も枯葉の下に埋もれていた湿った土の、古い水やカビのような匂いが不意にたちのぼる。
それらが、成長し続ける木の張りつめた気配や人気のない夜気と、混ざりあって拡散する。」
(黒い森~海炭市叙景 by 佐藤泰志)
そしてっ!
前回のクイズの答えです。
「台本」でした。
数え方で言葉を作っております。
お金は「円(えん)」、靴は「一足、二足の足(そく)」で、あわせると「えんそく(遠足)」ですね。
ウサギは「羽(わ)」、車は「台(だい)」なので「わだい(話題)」。
なので。
車は「台(だい)」、映画は「1本、2本の本(ほん)」なので、「だいほん(台本)」でした。
なるほど!
機会があれば、またクイズをやってみますね。
これまでの挑戦、誠にありがとうございました。
我々の一番最初の集まり。
雨の五稜郭での、芸術を愛する方が集まってくる喫茶店「伽藍堂(がらんどう)」での準備委員会でした。
海炭市の電車に乗る方々のように、それぞれの人生を生きる接点のなかった個人が接点を持った瞬間でした。