2010年03月

2010年03月31日

時の流れに

さあ、4月になります。
長く続いた生活から新しいドアを開ける時に、という方も多いことでしょう。

時の流れは早くもあり短くもあり。
あっという間の10年を過ごした方や、長かった1年という方もいらっしゃるかと。

映画を作る日々はあっという間に感じます。
それは熊切監督と共に探し回る日々。
3ヶ月前は「初日の出を見る」ために歩いて山に登ったけど吹雪。
6ヶ月前は脚本の宇治田さんと共にやはり日の出を体感するため山へ。
あの時はクランクアップの日の撮影場所となった小学校でもシナリオハンティングを行いました。

結局は撮影に選ばれなかった場所のほうが、もちろん多い事にはなります。
しかし、このすべての日々が、まぎれもなく「海炭市」の空気を作り上げる結果となったように感じています。

それがどんな空気感なのか。
セリフで説明するのではなく。
感じていただければ幸いです。


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2010年03月30日

想い出をのせた電車

またひとつ、さよならです。
撮影に使わせていただいた電車「1006号車」が、3月いっぱいでその役割を終えます。

都電として東京の街中を走ってから今日まで50年以上。
展示をしたいというところを募集中で、彼の第3の人生(?)はまだ未定です。

後任は足の不自由な方も乗り降りがしやすい最新型の電車です。
素晴らしいバトンタッチ!
そして彼のその姿は、映画「海炭市叙景」の中でずっと生き続けます。

3/31お別れ運行の詳細

少しの希望と。
少しの不安と。
漠然とした未来への想いと。

たくさんの想いを乗せて、フィルムの中で生き続けます。

3・14 撮影27日目14




















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2010年03月29日

ミスはこだてに

年度末です。
様々な出会いとさよならが生まれる頃です。

新しい事がはじまるという方も多いと思います。

住む場所が変ったり。
新しい道への一歩を踏み出したり。
結婚式までもう間もなく、という仲間もおります。

はじめての道を通って、はじめてのロケ地へ行くスタッフのために、毎回とっても詳しい目印つきの地図を作り続けたのは、この春に大学を卒業した小川舞子さんです。

なんと彼女は、この4月から1年間「ミスはこだて」として活躍する事になりました!

めでたい!
がんばって!

みなさまの街に函館のPRで訪れることもあるかも。
海炭市民で函館市民のミスはこだてを、何卒よろしくお願いいたします。

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2010年03月28日

あまりのリアルさに

美術チームがまたやった!
と言わんばかりのリアルな仕事でした。

普段は当たり前に稼動している、函館市内のとある工場が。
朝一番で美術チーム特製の看板を重ねて設置し、生まれ変わってしまいました。
もう何十年も前から付いていた看板のようです。
このあと更にスプレーで色を吹き付けたりと、建物や、周りの風景に溶け込むように丁寧に追加作業が!

まるで昔からこの場所にあったかのようです。
あまりのリアルさに、ご近所の方が「昨日まで普通にみんな働いてたのに、ここの会社つぶれちゃったの?」

いえいえ。
映画の撮影ですと、何人の方にご説明したことか!
あまりになじんでいて、僕らも「ずっとここにあった会社みたい」と自然に思ってしまいました。

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2010年03月27日

雪がたっぷり降りました

降ってはとけ、とけては降り。
この時期はだんだん雪がなくなってきて、少しづつ春が近づく頃です。

今日は昼間の3~4時間くらいでかなり降りました。
3月末じゃないみたいな大雪で、ほぼ雪解けだった場所がしっかり積もりました。

何日か後には2ケタの気温になる予報。
あまりの違いに再び驚くことになりそうです。

撮影中は寒いを通り越して「痛い」って感じの状況も多々ありました。
そういう時はひたすら着込みます。
人間だけでなく、カメラも厚着です。
そうしないと、途中でとまってしまったりするのです。

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2010年03月26日

イベントがたくさん

「海炭市叙景」は様々なつながりを生み出しています。

映画化に函館市民が汗を流していると知り、東京の足立区にある江北図書館の皆様が「函館」をテーマにした本を集めて特集を続けてくれております。
今月いっぱいで終了です。
4月からは、石井館長は定年退職し、図書館は民間に経営移譲との事。
最後のイベントに函館を選んでいただきました。
江北図書館の場所はこちら

そして、造船所で働く男として参加していただいた俳優のGeorge-Kさんは4/28(水)に函館でのイベント「1980」でミュージシャンとしてステージに立ちます。
今月半ばに故郷・札幌でのイベントにも出演!
その時はクラブでの1,000人規模のイベントだったという事で、こりゃあ函館も盛り上がらないわけがない。
豪華出演者の数々でした

同じく造船所の男・竹原ピストルさんは7/1に函館のフォーク酒場といえばここ!「亀しょう」での弾き語りライヴです。
先日のライヴよりは収容人数が限られますので、今のうちに予約をしたほうが良いかも。
亀しょうライヴ詳細

このふたつは、近くなったら都度いろいろと詳細をご案内いたします。

そして札幌近郊のみなさまへ。
6月末から8月はじめまで、「海炭市叙景」をテキストにしての朗読教室が開催されます。
講師はFMラジオなどでも朗読をしている一条綾香さんです。
5月末までのお申し込みですが、お早めにお問い合わせ下さいませ。
ご近所先生企画講座「伝える」「伝わる」朗読


いろいろな形で。
いろいろな場所で。
どんどん広がっております!
ワクワクしております!

画像 028江北図書館




























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2010年03月25日

ご質問をいただいております

当ブログには「拍手」のボタンがありまして。
内容に拍手のお気持ちをもっていただけたら、クリックする事でその気持ちを伝えていただいております。

その際にコメントを入力できるのです。
そのメッセージは、管理している僕だけに読み取れるような設定になってまして。
いくつか質問もいただいておりました。

この場を借りてお答えいたします。


「すでに募金を終えておりますが、告知の費用に対して追加で募金する方法をお知らせいただけませんか? 」

ありがとうございます。
募金・協賛の窓口はこれまでと同じです。
ぜひメモ欄に追加支援の旨をお伝えいただければ、これまでの分にプラスして受け付けさせていただきます。


「加瀬亮さんはクランクアップされたのですか?」

3月なかばにメッセージをいただいておりました。
遅くなりまして申し訳ありません。
すでにアップされて、次の撮影に入ってらっしゃるようです。


「まだ若い廃墟も歌ってくれたのでしょうか?6月にも歌ってくれるのでしょうか?期待をしております byミニラ 」

竹原ピストルさんの函館での弾き語りライヴの様子をお伝えした時に「拍手」をいただいた方です。
"まだ若い廃墟"も歌っていただきました。
函館は、7月1日に次のライヴが決まっております。
詳細はこのあと、2日後くらいに当ブログでもお伝えする予定です。


いただいたコメントを総合すると「がんばって」というお言葉が最も多いことに気づきました。
ありがとうございます
これからは、映画上映に向けての充分な告知が出来るよう更なる行動を続けます。

見守っていただける。
こんなに嬉しいことはありません。

ぜひこれからもよろしくお願いいたします。


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ギアチェンジのとき

スピード感が変ったと実感しております。
ロケ中はトップギアで走っていたため、周りの小さな変化を見逃してしまった事もしばしばあったように思います。
まあ、普段でも見落としているのですけども。

ロケ前のスピードにもどり。
ためにためた作業をひとつづつこなす者。
どっと疲れが出てしまった者。
なんと転勤が決まってしまい引越し準備に追われる者。

みんなそれぞれのギアに入れ替えて、動き出しています。

東京ではそろそろ桜の季節。
10度以上も気温が違っていて、体調を崩してはいないでしょうか。

こちらでも更なる映画告知のため、いろいろと動き出しております。


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2010年03月23日

海炭市にいる

ジョニー・デップの新作「アリス・イン・ワンダーランド」の日本でのイベントで、ジョニーやティム・バートンを迎えたのは、アリスと同じ19歳の我らが谷村美月さんでした。
自分が19歳の頃は・・・いや、考えるまい、うん。

アリスが見た不思議の国とか。
ガリバーが訪れた様々な場所とか。
2万里すすんだ海底とか。
おむすびがコロリンところがっていった穴の中とか。

今、生活している場所とはまったく違う世界への好奇心。
だからこそ旅は素敵なのですよね。
函館にいる方で、今まさにその感じを味わっている方もたくさんいらっしゃるのかと。

そして函館に住んでいる僕らにとって。
海炭市は似ていても違う世界なのだろうな。
部屋が闇に包まれ、スクリーンに光が広がり、様々な音がブレンドされ、たぶん一瞬で映画館にいることを忘れて海炭市を歩いている・・・そんな日がもうすぐ来るのだろうな。

撮影最終日の打ち上げで、皆さんからお言葉をいただきました。
その問いに答える言葉もいただきました。
撮影監督の近藤龍人さんから。

「皆さんより一足先に、ファインダーで見ました。
 海炭市は確かにありました。」


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2010年03月22日

ラインプロデューサーという存在

海炭市に一番長く滞在して様々な仕事をこなしたのがラインプロデューサーの野村さんです。
プロデューサーは現場以外での仕事も多いのですが、ラインプロデューサーは現場がうまく動くようにとても多くの事を調整しています。

「どんなVIPでも弁当以外の食事は800円まで!」
「市内はすべて探したので、お隣の北斗市と七飯町をあたってきます。」
「出演OKをいただけるまで、僕は通い続けますよ!お願いします。」
「あのスタッフが無理しすぎているのが気にかかるんですよね。」

撮影前から今日まで「ありがとうございます」と「申し訳ありません」をどのくらい伝え続けたのでしょう。
でも、このふたつを誠実に言えない人なんて信用できません。
この方がいたからこそ、からまった糸が日々ほどけて、不可能が可能になり、誰も倒れることなく最終日を迎えられたのだと思います。

少々やらせっぽいアングルですが、プレゼントの寄せ書きに涙しそうな野村さんの画像をアップいたします!
今日も海炭市での様々な作業をしていただき、ありがとうございます。

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2010年03月21日

記憶に刻み込むための仕事

本日は撮影機材をコンテナに積み込み、各々が荷造りを済ませ、そして何人かのスタッフを残して撮影隊は東京へ旅立って行きました。

東京へ戻るというより、次に帰って来るまでのやや長めの旅立ち・・・と勝手に感じております。

前半の撮影を終えて一足先に海炭市を出発した撮影助手の甲斐さんへ。
あなたの分の寄せ書きと撮影中のスナップ写真を、渡していただくよう頼んであります。
受け取ったら海炭市での日々を思い出してくださいませ。

昨日は大雨。
今日は雪が真横に降る吹雪でした。
空もしばしの別れに泣いております。

昨日の小学校での撮影のときに、記念写真を撮りました。
美術チームの最後の大仕事は、この写真に使うためだけに作った看板です。
電車には熊切監督をはじめ、物語の登場人物が乗車しています。

これまでの日々を記憶に刻み付けるための、優しさにあふれた仕事です。

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函館でのロケは終了です

最終日の夜は雷雨になりました。
広い北海道を大きく分けると函館は渡島地区。
その隣の桧山地区での撮影がラストとなりました。

函館から車で2時間以上走り、江差追分で知られる江差町のお隣の上ノ国町での撮影を終えたのが夜8時半でした。
そこから函館に戻り、日付が変る少し前に総打ち上げがおこなわれました。

明日には東京に戻るスタッフの方々に、函館のおいしいものをたっぷり食べていただき。
一人ひとりに撮影中のスナップ写真と寄せ書きをプレゼントし。
翌朝にはコンテナに機材を詰め込む作業があるというのに、夜明け直前まで宴は続きました。

いったいこの感謝をどう表せばよいのか。
再び会える日を待ちわびながら、しばしのお別れをいたしました。

Good-byeではなく、So-longです。


海炭市写真集























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2010年03月19日

クランクアップを迎えます

去年の今頃は「あと1週間で映画製作の告知チラシができあがる!」と、大忙しで準備を進めていました。

1年たった今、撮影最終日を迎えているとは、誰が想像したでしょう。
スケジュールとしては作っていましたが「ほんとにこんな大金を集められるかな」という思いが大きく、実際にこの日が来ていることを想像はできていませんでした。

ほんとうにたくさんの方の想いや、御協力や、励ましの力でここまで来たのです。

まだまだやるべき事は山積みです。
撮影を無事に終え、完成するまでの間に「告知のための資金」を作り出さなければいけません。

次の計画を早急に作らなければ!
その前にまずは最終日の撮影がスムーズに進行できるよう、全力でフォローだ!

昨年5月に、幼い兄妹とゴライアスクレーンをフィルムに収めるところからスタートした撮影。
最終日、やはりあの兄妹が来てくれます。

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2010年03月18日

新しい風景

三浦誠己さんが本日、オールアップです。
熊切監督作品でいうと「フリージア」での、傍若無人な主人公の上司役が鮮烈です。

今回は180度ちがう役を演じていただきました。
ナイーブに、ちょっとした動きで感情を表現していただいてます。
別のエピソードをつなぐ、原作にはない重要な存在です。

そして本日、昼の時間が夜を追い越しました。
どんどん日が長くなります。
雪景色もそろそろ見納め、雪かきは数えるほどですみそうです。

撮影の進み具合と共に、春が近づいています。

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2010年03月17日

乗り物がたくさん出てきます

撮影中はたくさんの種類の乗り物に活躍してもらいました。

車、自転車、大型船、漁船、いかだ、路面電車、ロープウェイ・・・。

本日は、その中でもフェリーです!
実際に青森まで往復し、船内で撮影させていただきました。
朝から吹雪だったり、青森では警報が出ていたり。
撮影期間が残り少ない中、延期にならないよう祈りながら出航時間を迎えたのです。

船から見る山は、まったく別な表情です。
新撰組の裏をかくため、明治新政府軍が登った海側の急な傾斜も再確認。

これは海からでなければ見られない、山のもう一つの表情です。

波の音と揺れ、潮の香り。
海も山もある海炭市の素晴らしい一面です。

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雪景色になったら

夜からの雪が積もりました。
また銀世界です。

撮影はこの土曜まで。
17(水)は海風に耐えながらのシーンを撮影予定なのです。
こんな雪になったら。

登場するのが写真の秘密兵器です。
下の部分に固形燃料を入れ、ライターで一瞬で火がつくすぐれもの。
函館では見たことがありませんでした。

2~3時間くらいもつのですが、暖かさはばっちりです。

今日は待機できる暖かな部屋がありそう。
彼の出番は、週末までにまたあるでしょうか。

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2010年03月16日

音楽家たち

本日は雪のち雨のちあられ・・・。
変りやすい天気の中、予定していたシーンは明日以降に撮影順延となりました。

リハーサルや、ロケハンを行っています。
2/16のクランクインから丸1ヵ月となりましたが、残り数日間となった今日でも、時間を見つけてはより良い場所を探してのロケハンが行われるのです!

夕陽が沈む場所を計算して、市内あちこちを探し回りました。

そして。
当ページのリンク集に、竹原ピストルさん、George-Kさんの音楽家としての演奏が聴けるページを追加しました。
函館ではGeorge-Kさんは4月末に、竹原ピストルさんは6月にステージを見ることができます。
近くなったらそれぞれ詳細をお伝えしますね。

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2010年03月14日

竹原ピストル弾き語りライヴ

今週末は「海炭市叙景」出演者のミュージシャンとしてのライヴが目白押しでした!

13(土)はGeorge-Kさんが札幌でライヴ!
実行委メンバー小林一輝のお店が札幌店をオープンした記念イベントです。
この様子は近々お伝えできるかと。

そして14(日)は函館で竹原ピストルさんライヴです!
見終わって帰宅し、このブログを書いております。

今日は朝6時出発で路面電車での撮影でした。
夜もまだ撮影が続き、関連するスタッフのほとんどが見たかったのに見られなかった・・・。
まあ、超満員の立ち見続出だったので、撮影クルーが来たら満員電車のような状態になったかも。

ライヴは「圧倒的」という言葉がぴったりの、あっという間の時間でした。
今はゆっくりと余韻にひたっております。
受け取ったものがあまりに多すぎて、落ち着くまで目が冴えっぱなしの予感です。

次は6月に来てくれるとの事!
本日は聴けなかった名曲「フィッシュオン!」を歌ってくださいと、なかば強引に約束していただきました。

映画の撮影で見せた繊細さを垣間見せながら、力強く様々な感情をゆさぶっていただいたひととき。
終了後に、かなり長い時間をかけてギターの手入れをしているピストルさんの姿が、とても印象的に目に焼きついています。

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2010年03月13日

守るべきもの

映画「海炭市叙景」の登場人物たちは、守るべきものをしっかりと持っている者と、見失ってしまい呆然とする者と、様々な状況を歩き続けています。

守るべきものは、家族だったり、想い出だったり、誇りだったり。
自分自身よりも大切に思っているという場合すらあります。
その強い思いは、頑なに他者を拒んだり、いびつな形で他者を攻撃したり、逆に自己犠牲に向かったり。

強い思いが結果的に、幸せな未来を書き変えてしまうというのなら、その不器用さを愛さずにはいられません。

たとえ哀しい結末を迎えても、さらにその後にあたたかな陽射しがさしてくる。
そんな希望があるからこそ、人生は素晴らしいのだと思います。

彼らが歩く先にも、あたたかな陽射しがふりそそぎますように。


そうそう、撮影も終盤に入りました。
現在、夜の蝶たちが今か今かと出番を待つ日々です!



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佐藤泰志ゆかりの場所にて

朝市での撮影を行いました。
佐藤泰志が芥川賞候補になり、発表のその日は朝市で知らせを待っていたそうです。
待つ時間はどのくらい長く感じたのでしょう。

小説「海炭市叙景」の中で、引越し荷物の到着をずっと待っている男が登場します。
負けないぞと言わんばかりに、真冬の寒空の下でじっと待つ男は、佐藤泰志本人の体験がモデルになっているとか。

ひたすら信じて待っている人物が、多数登場する物語でもあります。


そして撮影は、佐藤泰志が眠る墓地でも行われました。
くもり空の、熊切監督いわく「海炭市空」が我々を出迎えてくれました。

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2010年03月11日

ミュージック・マジック

今日からは、前に撮影したエピソードの続きをすすめていきます。
山中崇さんが「永遠を感じた」という、あのヤギも現場に戻ってきました。

時が止まったかのような場所で。
それぞれの想いをのせ、またはそれぞれの思いを置き去りにして時が流れていきます。

遠くで車が走り抜ける音が聞こえています。


そして今夜は、竹原ピストルさんが地元のコミュニティFM「FMいるか」に出演しました。
「FMいるか 安川智巨の青春シャウト!blog」
なんと、昨日メロディができあがったばかりという新曲「まだ若い廃墟」を弾き語りしてくれました。

聴きながら、目の前に映画のエンドロールが流れてきた想いがしました。

詩だけは先に、ご自身のブログに。
海炭市での日々を文章に出来なくて、詩にしたのだそうです。
豪快さと繊細さが、これだけ広いレンジの方なのだとあらためて確認。

映画「海炭市叙景」の音楽は、まだ正式に決まってはいませんが、びっくりする方の名前があがっています。
ああ、エンディングにはどんな音楽が流れてくるのか。
選択肢が多くて、どれも素晴らしい、なんて悩みがはじまりそうです。

音楽の力で、物語は更に魅力的な輝きと重さを持つのです。

3・3 撮影16日目17























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2010年03月10日

映画の舞台、音楽の舞台

竹原ピストルさんが本日オールアップでした!
山の上や、海風が吹きすさぶ場所や、撮り直しがきかない本当の進水式での撮影や。
どんな場所でも、実にピストルさんらしいたたずまいでした。

本日の進水式に来ていただいた皆様、誠にありがとうございます。
ピストルさんは、一般の方が見学している位置とは反対側の、右舷側で撮影していたためお気づきになられなかった方がほとんどかと。
皆様の様子は、もう一台のカメラで同時に撮影させていただきました。

ピストルさん、今頃は減量から開放されたっぷりビールを飲んでいる頃でしょうか。
ありがとうございました!


そして彼のステージは映画から音楽へ。
函館市内で、この日曜日にワンマンライヴが行われます。

竹原ピストルさんのブログ ~函館ライヴ詳細

待ちわびておりました。
こちらも楽しみにしております!

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2010年03月09日

いいねぇ

出た!
本番でカメラが回り、カットの後に監督が味わいたっぷりに言うこのセリフ。

「いいねぇ」

これを聞きたいがために、氷点下の気温の中でのロケも耐える事ができます。
どんな風に映っているのか知る術もありませんが、このセリフとにっこりした熊切監督の顔で「ああ、いいシーンが撮れたんだ」と僕らも満足感にひたる事ができるのです。

さあ、撮影はあと10日ほどとなりました。
明けた水曜日は、巨大な船が海に向かって重厚に進んでいく進水式のシーンです。
このセリフをたくさん聞けるよう、全力でフォローいたします!


3・4 撮影17日目62



























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海からの風

山の上での撮影のあと、夜は海での撮影でした。
やはりこの季節、海からの風はかなり体感温度を低くします。
しかも今夜は、発電機がたびたび止まってしまうトラブル発生!

冷たい風に耐えながら、復旧を待つ時間は長く感じます。
食べたり、温かい飲み物を飲んだり、おしゃべりしたり。

映画を作るというのは、待つ時間を上手に使って次に来る撮影の瞬間までテンションを保つことなのだなと実感です。
そして俳優陣は、信じられないほどのスイッチングで撮影再開の瞬間に役に切り替わるのです。

この精神力はすごい!

毎回感じますが、なにか覚悟のようなもので、一言も発しなくても空気が変ってしまうのです。

谷村美月さんが、ご自身のブログで今朝の日の出を紹介して下さいました。
オールアップし、「次は舞台挨拶などで再会できますよね」と言っていただいた瞬間に胸いっぱいに・・・。
ええ、ぜひ再会のときを楽しみにこれからの日々を過ごします!

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2010年03月08日

日の出を待つ

函館山は海炭山。
海炭山で朝日を待ちわびるロケを行いました。

未明からはじまったリハと本番の繰り返し。
深夜の夜景は「いつもより光の数が少ないのかな」と思ったけれど、いえいえ充分に美しいものでした。
その夜景を朝まで堪能。
3月の夜でしたが、風がなかったので体感気温はそれほど低くはなかった事もあり順調に撮影をすすめられました。

ただひとつ、朝方は雲がかかって日の出が見られなかったのです。

そこで本日。
朝4時から日の出精鋭部隊を結成し、再び山へ。

やった!
さきほどついに、日の出の瞬間をフィルムに収めることが出来ました。
みんなよくがんばった!

このまま市内の何箇所かで撮影を続けます。
長い1日が、最高のスタートを迎えました。
山も海もある海炭市、ちなみに深夜の夜景はこんな美しさでした。

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2010年03月07日

再び進水式へ

この水曜日に、はこだてドックで進水式が行われます。
我々も撮影に参ります。
本物の船が勢いよく海に浮かぶその瞬間をフィルムに収めるのです!

遊びに来ませんか?

普段は入れないはこだてドックに一般の方が入れる、数少ないチャンスです。
1月にもお邪魔して撮影を行いましたが、その迫力にとても驚かされました。
進水式の動画などはこちら

3/10(水)午後2時頃から会場に入れます。
3時半頃には終了予定です。
「進水式を見に来た」と入り口でお伝えくださいませ。
はこだてドックには駐車場がありませんので、ご注意ください。
入場無料です。

はこだてドック
〒040-8605 函館市弁天町20番3号

どっく行き市電で、終点を下りて目の前です!
お待ちしております!


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2010年03月05日

坂のある街

坂道は街を魅力的にするって意見に大賛成です。
歩いてる時にどんどん変わっていく風景や、ふと振り向いた時に広がっている眺めにしばし足を止める事が良くあります。

車ではなく、歩いてこそ実感するのです。

本日は坂道を歩くシーンも撮影しました。
夕暮れから夜になる時間に、様々な想いがよぎります。
海炭市は坂のおおい街。

写真は、道の遠く向こうに小さく見える木々を照らす、そのためだけに用意された照明です。
こだわりの設置!

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路面電車が走っていく

函館の街のイメージのひとつとして、道路の真ん中をゆっくり電車が走っているという風景があります。
これまで撮影された映画などでも、たびたび登場する路面電車。
この「海炭市叙景」でも、とても印象的な舞台として街を走っています。

幻想的だったり。
ぼーっと考え事ができたり。
昔懐かしい風景を思い起こさせたり。
不思議な力が備わっていたり。
様々な存在感で物語りに味わいを添える役割を担ってきました。

しかしここでは、市民が普通に使っている交通機関として、ゆっくりとたんたんと、様々な人生を乗せて街を走り続けます。

まったく普段どおり走る電車。
運転手と乗客。
それぞれの思いをひとつの空間にのせて、ゆっくりと走るのです。

現実の函館でも同じこと。
あたりまえにゆっくりと街を走る姿が、ずっとここに住む僕らの心持ちを表現してくれているかのようです。


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2010年03月03日

録音チームの繊細で力強い仕事

昔、ウルトラマンを見てて「なんかセリフと口の動きが違うなあ」と思う瞬間が多々ありました。
あとでわかったのですが、マイクでセリフを拾いきれず、また雑音も多く拾ってしまうため、完全にしゃべりを後から録音しなおしてたんですって。

そういえば「雨に唄えば」でもマイクで苦労した当時のエピソードを取り上げてました。

今は違います!
風が吹いててもシャットアウトし、ささやくようなセリフも録音チームの繊細な仕事でがっちりキャッチします。
そしてこれは体力勝負でもあります。

マイクから入ってくる音をものすごい集中力でチェックしながら録音する方。
カメラのフレームに入らないギリギリのところでマイクを操作して、必要な音を逃がさずに捉える方。

このチームはすごいです。
現場でも日々「いや、もっとこんな感じで」「このセリフはもっと近づいて」と追求の努力を惜しみません。

こんな姿勢もある中で、ほぼ一日中微動だにせずマイクを支えるなんて、どんな筋肉なのでしょう!

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2010年03月02日

また、ひとつのエピソードが撮影終了

本日、いくつかのエピソードのうちのひとつが撮影最終日を迎えました。
これで最初に決まった4人の俳優陣のうちの3人が撮影を終えた形になります。

このエピソードの登場人物が、この後の別なエピソードにつなげていく・・・僕らの人生と同じく、海炭市に住む彼らもどこかでつながりあっているのです。

さあ、いよいよ次のエピソード!
ここはスケールの大きな、函館ならではの場所での撮影も多々あります。

竹原ピストルさんは減量して目標の60kg台になったそうで・・・撮影が終わったらキャベツ以外の函館のなまらうまいもんをたっぷり堪能していただきます!
http://blog.goo.ne.jp/pistol_1976/e/47c0221bc4771bd90a3ddbd9aeeef8c5

減量をお願いした側が言うセリフでもありませんが、健康第一でお願いします。
共演するあの方も役のために何でもするイメージ・・・全力でフォローさせていただきます!


今夜、また大粒の雪が降ってきましたよ。


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2010年03月01日

美術チームの技とセンス

彼らの仕事は多岐にわたります。
何十年も使われていないような長屋の床や壁を加工するところから始めて、登場人物が普通に暮らしている部屋に作り変えたり。

画面に映らないであろう、ちょっとした小物を最適な場所に最適な量で設置したり。

普段なら映画撮影用の備品から選び出しますが、函館では実際に一般家庭で使われている日用品をお借りすることも多々あります。
その限られたものを配置しつつ、登場人物の人となりや性格、隠れた一面までも表現するのです。

写真のような一般的な女性の鏡台まわりでも、さりげなく人物像を想像させるアイテムが置かれています。
そうそう、置いてある雑誌は本物ではなく撮影用に作られた架空のもの。
こだわりの仕事ぶりです。


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kaitanshi at 23:07|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック