2009年08月09日

はじまりの文章

「トンネルを抜けると・・・」ではないですが、はじめの一文が物語の世界の最後まで、集中したまま連れて行くきっかけとなる事が多々あります。

小説「海炭市叙景」は、短編ごとに様々な出だしになっております。


最初の一文で状況説明と、主人公を登場させるもの。

「連絡線が海峡に出かかり、山の裏側を迂回する頃、彼はひとりで甲板に行った。」(2話目「青い空の下の海」)

「最初から客は博ひとりだった。」(8話目「裸足」)


次の展開につなげるもの。

「毎晩、あんな調子では本当に困ってしまうわ。」(5話目「一滴のあこがれ」)

「あのね、と恵子はいいかけた。」(17話目「この日曜日」)


そして恐ろしく短い文章で、最後まで太いラインを感じさせるもの。

「待った。」(1話目「まだ若い廃墟」)


計算というより、ひらめきのなせる業なのでしょうか。
このあとの「あと3分。兄さん、それしか待たないわよ。」という台詞がとても印象に残ったのは、きっと出だしのこの一文のせいかと。

「ネコを抱いた婆さん」もとっても短い一文でスタートします。
ポイントとなる短編は、何か特別な思いが込められているのかも。

・・・なんて素人の深読みしすぎですね、きっと。





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at 22:34|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 小説「海炭市叙景」 

2009年08月08日

アクション映画

現在発売中の「映画芸術」最新号に、我らが実行委員長が寄稿しております。
「シリーズ ジャンルから見る私の映画史VOL.2 アクション映画 外国映画篇」で、マイベスト10作を挙げております。

あなたならどんなラインナップに?

「ブリット」や「ゲッタウェイ」など、スティーブ・マックイーンが複数作とりあげられました。
「ブリット」の坂道カーチェイスは、函館でロケしたらどうなるかな、とか。
"ハードボイルド"というキーワードで佐藤泰志とつながるな、とか。

そんな事を考えながら読んでました。
函館で映画を作るモードになってしまってますね。
時間を置いてから読み直してみます。

映画芸術最新号HP


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at 22:29|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック メディア | 実行委

2009年08月07日

ない袖は振れない

小説「海炭市叙景」は18のストーリーに18の登場人物がいます。
兄妹ともに失業してしまい、年越しに小銭しか残っていない2人。
いくらなんでも小銭しかないなんて・・・という点に不自然さを感じなかったのです。

小説も映画も、強引な設定に直面して物語の世界から現実に帰ってしまう瞬間というのはあるものです。
こういう人達がいるという事は、僕にとってはとてもリアルでした。

大事でないものはすべて売り飛ばしてしまった。
一人暮らしならともかく、大切な人のためにはお金を使うものです。
自分に嘘をつく仕事はしたくない。

青臭いとはわかっていますが、明日はなんとかなると最後の小銭で小さな贅沢。

音楽や本や映画に使う金がなくても、「海炭市叙景」はそうするだけの価値がある映画にしてみせます。
余裕がある人も、そうでない人も、この作品に触れたことで心に豊かな何かが生まれますように。


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at 22:37|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 想い 

2009年08月06日

バナーを作りました

本日はミーティングでした。
メンバーは多彩な特技や経験や人間性だと再認識。
とても心強いです。

お伝えしたい事は山ほどあります。
はやくその時がきますように。

とりあえず。
パソコン操作に長けたスタッフがバナーを作りました。
我々の公式HPはこちらです。
http://www.cinemairis.com/kaitanshi/
僕にはどう作ってどう使うのか、これから勉強ですが、皆様でリンクを張っていただける場合は、よろしければぜひぜひご使用くださいませ。

リンクフリーです。
できれば教えていただければ、拝見したいな、と。
moon310agu224@y4.dion.ne.jp
こちらに連絡いただけると嬉しいです。

これから更にいろいろ作るかも。
その都度お伝えいたします。


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at 23:07|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 実行委 

2009年08月05日

函館の夏

小説「海炭市叙景」の18番目の短編『しずかな若者』の舞台は、7月下旬の海炭市です。
ここで作品は未完となりましたが、続いていればその後の季節が描かれていたはず。

8月の海炭市はどんなだったろうか。

「きみの鳥はうたえる」「移動動物園」など、夏の出来事を描いた作品は数多くあります。
「そこのみにて光り輝く」は、おそらく函館をイメージしているのではないかと。
湿度の高い夏ではなく、道南の気候を切り取っているように感じます。

昨日あたりから青空が広がり、やっと夏を実感。
「そこのみにて?」のような暑さの中、海に頭からもぐってみたいものです。

北海道出身の熊切監督だからこそ、セミがうるさいくらい鳴いてたり、もやっとぼーっとしてしまう表情だったりという定番の暑さではない、海炭市の夏をフィルムに収めてくれると期待がふくらんでおります。

函館の夏がやっとはじまり、色々な思いがかけめぐりはじめております。



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at 22:53|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 佐藤泰志 | 小説「海炭市叙景」

2009年08月04日

川本三郎さんがやってくる

詳細はもう間もなくお伝えできると思いますが、10/3?4の2日間で、川本三郎さんを函館にお招きしてのイベントを開催いたします。
特に10/3はスペシャルな事になりそうです。

ぜひ予定を空けておいてくださいませ。
函館近郊にお住まいでない方は、もし来れるならぜひこの時期にお待ちしております。

映画「海炭市叙景」にとって、重要な重さを持つ日になりそうです。


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at 23:25|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック イベント 

2009年08月03日

夏が暑いと冬は寒くなる

と聞いた事があります。
という事は次の冬は過ごしやすくなるのかも。
いえいえ、2月には雪景色になってほしいのです。
映画「海炭市叙景」には、雪の力を借りるシーンが数多くあります。

雪国に旅行する方は雪を待ち望み。
雪国に住む方は「もういらない」なんて思いもあることでしょう。
暑い地方の方が平均寿命が長いイメージも・・・イメージだけですが。

いずれにせよ、寒い季節と雪景色は大好きです。
気持ちが凛といたします。
この映画にも、そう思わせてくれる雪が必要です。

そんな思いもあり。
これから暑い暑い夏を過ごしたいものです。


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at 16:19|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 想い 

2009年08月02日

夏祭りの季節

函館に限らず、夏のお祭りの真っ最中というところが多いかと。
浴衣とか下駄とかうちわとか。
たとえ涼しすぎる夏でも、季節を伝えるアイテムは気持ちを夏真っ盛りに連れて行ってくれます。

あっという間に8月。
砂が濡れてたり、皇帝がいなかったり、ダイ・シー・マストだったり。
我々にとって種をまく時期はそろそろ終わり、水をあげて芽が出るのを心待ちに過ごす日々がやってきます。
ま、種はまき続けますけども。

祭りの楽しさを感じながら、ギュッとひきしまる部分が同時にあるのです。



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at 22:51|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 想い 

2009年08月01日

傷つけられたのは、傷つけたから

「海炭市叙景」には18のストーリーが存在します。
季節ごとに9つのストーリー。
本来ならば四季それぞれ9つのストーリーで36の短編からなる物語の予定でした。

佐藤泰志の死で物語は永遠に中断されたまま。
でも僕が受け取った18のストーリーからなる物語は、不思議と途中半端な印象を受けません。

そう思って読んでいるからか、そうなる予感で書いたのか。

映画となる「海炭市叙景」は、その中からいくつかのストーリーをピックアップする形です。
登場人物は、それぞれの重たい人生を歩いています。
明日には良いことがあると信じているのです。
でも、自分や、自分の大事な人や物が傷つけられる事があるのです。

自力ではどうしようもない環境の変化だったり。
世の中の変化に対峙した結果だったり。
そして自分が傷つけたことが理由だったり。

どのシチュエーションも自分の歩いてきた道で思い当たってしまうのです。
それが切なくもあり、明日の光へのヒントだったり。

気付かずに人を傷つけているという事に、気付いてないであろう自分にがっかりしながら。
明日は気付けると思ってみたくなるのです。


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at 21:10|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 想い | 小説「海炭市叙景」

2009年07月31日

脚本家・宇治田隆史さんに会いたい

映画「海炭市叙景」の脚本を書いていただいてます。
函館にはまだ一度も来たことがないそうです。
それでも第一稿の脚本からは、風の音や雪の匂いが感じられるのです。

実際に函館の土の上でお会いしたいものです。
より物語が函館の空気の匂いや湿度や音や色や。
様々な要素を質感を感じていただけるのかと思っております。

熊切監督とのコンビで作った「ノン子36歳(家事手伝い)」では、セリフには出さずに「ごめんね、さよなら」と表現するシーンがあります。


※ここからはネタバレです。「ノン子」を未見で、これから見る予定の方は3行ほど飛ばして読んでくださいませ。


その前にも同じしぐさを一度しているのですが、相手は気付かずに素直な笑顔を見せるのです。
そしてその後で気がつく別れ・・・。
このシーンには完全にノックアウトされてしまいました。



ああ、宇治田さんはどんな方なのだろう。
函館という名の海炭市でお待ちしております。


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at 22:39|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック スタッフ | 他の作品