2009年08月15日

産業道路と電車道路

函館は歩いてこそ街の魅力がわかると常々感じています。
「海炭市叙景」の主人公は街そのもの。
熊切監督が来函した際に車であちこち移動しましたら。
そしたら「全国チェーンの建物が多いと、どこの街に来てるのかわからなくなる事が多い」とおっしゃってました。
そして繁華街の裏通りなど、ふだん撮影隊がロケしないような場所へ、次々と足を運んでいたのです。

小説「海炭市叙景」には電車の運転手や、産業道路を車で走り続ける夫婦が登場します。

函館の街は、車道の真ん中を路面電車が走ります。
路面電車の終点「湯の川」からは、車の行き来が激しい産業道路が大きな半円を描いて延びています。

小説では電車や車に乗った視点で、街の個性を映し出しています。
それは、電車の速すぎない慎重なスピードだったり。
産業道路を探し物を求めてひた走る疾走感だったり。

歩いている時にはわからない見方で街を見てるのですね。
映画なら、さらに他の角度からも街を見る視線を取り入れられるかもしれません。


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at 21:05|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック スタッフ | 函館

2009年08月14日

時代を示す小物

小説「海炭市叙景」の舞台は80年代の日本です。
携帯電話やノートパソコンは普及しておらず、ファッションもメイクも当時ならではのものが存在する時代。

さて、映画の「海炭市叙景」はどうするべきか。

80年代にこだわる事はなく、かといって2010年にも限定しない時代設定がよいのかも。
"昔、こんな人たちがいた"でなくても構わないし、今だけになりそうな流行のメイクやファッションをわざわざフレームに入れる必要もなし。
最近つくられたピカピカの建物も、出番はないかもしれませんね。

人間のシワと同じく、時代の流行とは無縁な年輪を感じさせるものが映し出されるといいな。
と思うのです。



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at 14:38|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 想い 

2009年08月13日

イベントに参加します

すみません。
サケロックの田中馨さん、本日は出演されませんでした・・・。
週末には石狩での某有名野外フェスとのこと。
昨日1日だけの特別出演でした。
すみません。

そして「海炭市叙景」映画製作をアピールすべく、函館の色んなイベントに参加させていただこうと計画中です。
函館のNPO団体が集まる「NPOまつり」は8/30に、秋の「バル街」は9/11です。
どんな形での参加になるか、さあ準備開始です。


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at 22:26|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック イベント 

サケロックでつながった

函館では現在「第2回はこだて国際民俗芸術祭」が開催されています。
昨日は元町公演でのフリーステージ最終日。
雨の中登場した「ひのき屋トラベリングバンド」のゲストベーシストは田中馨(たなか・けい)さんでした。

馨さんは日本が誇るステキなバンド「サケロック」のベーシスト。
サケロックのギタリストは星野源さん。
星野源さんは「ノン子36歳(家事手伝い)」にも出演。
「ノン子36歳」は「海炭市叙景」の監督である熊切和嘉さんの最新作。

つながりました。

馨さんはひのき屋リーダーのソガさんと同じ学校を卒業してたり、実は実家が函館のお隣七飯町の大沼だったり。

つながりました。

本日は国際民俗芸術祭の最終日。
函館市民会館に登場してくれます。
楽しみです。

2年前の共演エピソードはこちら




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at 10:06|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック ひと | 他の作品

2009年08月12日

お詫び

一昨日からサーバーのトラブルで更新できない状態となっておりました。
何度かアクセスいただいた方もいらっしゃるかと思います。

復旧作業の結果、先程から平常に戻ったようです。
当ブログでは復旧できなかったデータはなく、完全にもとの状態です。

御迷惑とご心配をおかけしまして、誠に申し訳ありませんでした。
これにこりず、今後ともよろしくお願いいたします。



at 14:12|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック

2009年08月09日

はじまりの文章

「トンネルを抜けると・・・」ではないですが、はじめの一文が物語の世界の最後まで、集中したまま連れて行くきっかけとなる事が多々あります。

小説「海炭市叙景」は、短編ごとに様々な出だしになっております。


最初の一文で状況説明と、主人公を登場させるもの。

「連絡線が海峡に出かかり、山の裏側を迂回する頃、彼はひとりで甲板に行った。」(2話目「青い空の下の海」)

「最初から客は博ひとりだった。」(8話目「裸足」)


次の展開につなげるもの。

「毎晩、あんな調子では本当に困ってしまうわ。」(5話目「一滴のあこがれ」)

「あのね、と恵子はいいかけた。」(17話目「この日曜日」)


そして恐ろしく短い文章で、最後まで太いラインを感じさせるもの。

「待った。」(1話目「まだ若い廃墟」)


計算というより、ひらめきのなせる業なのでしょうか。
このあとの「あと3分。兄さん、それしか待たないわよ。」という台詞がとても印象に残ったのは、きっと出だしのこの一文のせいかと。

「ネコを抱いた婆さん」もとっても短い一文でスタートします。
ポイントとなる短編は、何か特別な思いが込められているのかも。

・・・なんて素人の深読みしすぎですね、きっと。





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at 22:34|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 小説「海炭市叙景」 

2009年08月08日

アクション映画

現在発売中の「映画芸術」最新号に、我らが実行委員長が寄稿しております。
「シリーズ ジャンルから見る私の映画史VOL.2 アクション映画 外国映画篇」で、マイベスト10作を挙げております。

あなたならどんなラインナップに?

「ブリット」や「ゲッタウェイ」など、スティーブ・マックイーンが複数作とりあげられました。
「ブリット」の坂道カーチェイスは、函館でロケしたらどうなるかな、とか。
"ハードボイルド"というキーワードで佐藤泰志とつながるな、とか。

そんな事を考えながら読んでました。
函館で映画を作るモードになってしまってますね。
時間を置いてから読み直してみます。

映画芸術最新号HP


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at 22:29|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック メディア | 実行委

2009年08月07日

ない袖は振れない

小説「海炭市叙景」は18のストーリーに18の登場人物がいます。
兄妹ともに失業してしまい、年越しに小銭しか残っていない2人。
いくらなんでも小銭しかないなんて・・・という点に不自然さを感じなかったのです。

小説も映画も、強引な設定に直面して物語の世界から現実に帰ってしまう瞬間というのはあるものです。
こういう人達がいるという事は、僕にとってはとてもリアルでした。

大事でないものはすべて売り飛ばしてしまった。
一人暮らしならともかく、大切な人のためにはお金を使うものです。
自分に嘘をつく仕事はしたくない。

青臭いとはわかっていますが、明日はなんとかなると最後の小銭で小さな贅沢。

音楽や本や映画に使う金がなくても、「海炭市叙景」はそうするだけの価値がある映画にしてみせます。
余裕がある人も、そうでない人も、この作品に触れたことで心に豊かな何かが生まれますように。


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at 22:37|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 想い 

2009年08月06日

バナーを作りました

本日はミーティングでした。
メンバーは多彩な特技や経験や人間性だと再認識。
とても心強いです。

お伝えしたい事は山ほどあります。
はやくその時がきますように。

とりあえず。
パソコン操作に長けたスタッフがバナーを作りました。
我々の公式HPはこちらです。
http://www.cinemairis.com/kaitanshi/
僕にはどう作ってどう使うのか、これから勉強ですが、皆様でリンクを張っていただける場合は、よろしければぜひぜひご使用くださいませ。

リンクフリーです。
できれば教えていただければ、拝見したいな、と。
moon310agu224@y4.dion.ne.jp
こちらに連絡いただけると嬉しいです。

これから更にいろいろ作るかも。
その都度お伝えいたします。


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at 23:07|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 実行委 

2009年08月05日

函館の夏

小説「海炭市叙景」の18番目の短編『しずかな若者』の舞台は、7月下旬の海炭市です。
ここで作品は未完となりましたが、続いていればその後の季節が描かれていたはず。

8月の海炭市はどんなだったろうか。

「きみの鳥はうたえる」「移動動物園」など、夏の出来事を描いた作品は数多くあります。
「そこのみにて光り輝く」は、おそらく函館をイメージしているのではないかと。
湿度の高い夏ではなく、道南の気候を切り取っているように感じます。

昨日あたりから青空が広がり、やっと夏を実感。
「そこのみにて?」のような暑さの中、海に頭からもぐってみたいものです。

北海道出身の熊切監督だからこそ、セミがうるさいくらい鳴いてたり、もやっとぼーっとしてしまう表情だったりという定番の暑さではない、海炭市の夏をフィルムに収めてくれると期待がふくらんでおります。

函館の夏がやっとはじまり、色々な思いがかけめぐりはじめております。



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at 22:53|PermalinkTrackBack(0)mixiチェック 佐藤泰志 | 小説「海炭市叙景」